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おくりびと

  • 2009年3月16日
  • 読了時間: 1分

本木雅弘主演「おくりびと」が、アカデミー外国映画賞を受賞した。日本映画として、初めての快挙であったが、死者を送る納棺師の物語であるところが興味深い。


 一昨年、母が急逝した折、納棺師のお世話になったが、生前より美人になったのには正直驚いた。映画のお陰で、納棺師という職業が有名になるのはよいが、本木雅弘が演ずるような作法、様式美が求められたら、大変ではないかとちょっと心配である。何はともあれ、日本人はカブキを代表とする様式美が好きである。先日、新聞記事に「米国側では対日交渉のことを『カブキに出る』って言っていました」の記述があり、交渉にも様式美が求められるのかと感心した。米国はカブキ役者、日本は黒子、舞台のよしあしは役者で決まる。黒子の日本は、責任を取らなくてもすむ、なかなか賢いやり方である。


 「おくりびと」でいえば、さしずめ本木雅弘が米国、ご遺体が日本ということになる。確かに、死人が責任を問われることはないので安心である。法華経に「方便として涅槃を現ず」の一節がある。ようするに、死んだフリをする事である。日本の交渉術は、死んだフリをして成果を引き出す高等戦術である。


 「おくりびと」は、日本を考えさせる良い映画である。

 
 

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