top of page

おくりびと

  • 2009年3月16日
  • 読了時間: 1分

本木雅弘主演「おくりびと」が、アカデミー外国映画賞を受賞した。日本映画として、初めての快挙であったが、死者を送る納棺師の物語であるところが興味深い。


 一昨年、母が急逝した折、納棺師のお世話になったが、生前より美人になったのには正直驚いた。映画のお陰で、納棺師という職業が有名になるのはよいが、本木雅弘が演ずるような作法、様式美が求められたら、大変ではないかとちょっと心配である。何はともあれ、日本人はカブキを代表とする様式美が好きである。先日、新聞記事に「米国側では対日交渉のことを『カブキに出る』って言っていました」の記述があり、交渉にも様式美が求められるのかと感心した。米国はカブキ役者、日本は黒子、舞台のよしあしは役者で決まる。黒子の日本は、責任を取らなくてもすむ、なかなか賢いやり方である。


 「おくりびと」でいえば、さしずめ本木雅弘が米国、ご遺体が日本ということになる。確かに、死人が責任を問われることはないので安心である。法華経に「方便として涅槃を現ず」の一節がある。ようするに、死んだフリをする事である。日本の交渉術は、死んだフリをして成果を引き出す高等戦術である。


 「おくりびと」は、日本を考えさせる良い映画である。

 
 

最新記事

すべて表示
豊臣兄弟2

7月26日、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟」は、「天下への道」のテーマで山崎の戦いが放映された。山崎の戦いは、秀吉の備中からの中国大返しで主君信長の弔い合戦に挑み、光秀を打ち破った戦いとして有名である。秀吉は、この戦いで勝利したことが、天下取りの第一歩となった。それにしても、備中高松城から山城国山崎まで230キロを、武具を付けて一週間余りで踏破したのだから、驚異的である。  「天下への道」の中で一つ気

 
 
活動期の地球

6月26日、山梨県富士河口湖町で震度6弱の強い地震があり、富士山との関連が心配される。気象庁は、富士山の火山活動に異常はないと発表したが、1707年に大爆発して以来320年間休止している富士山は、過去およそ5600年間に180回もの噴火を繰り返してきた活火山である。記録に残る一番古い噴火は781年の天応噴火で、平安時代には頻繫に噴火したことが記されている。  2011年の東日本大震災は、869年の

 
 
イラン攻撃に想う

5月28日、アメリカによるイラン攻撃から3ケ月、今だに先行きの見えない状況が続いている。3月の高市首相訪米の折、トランプ大統領は「望めば2秒でこの事態を終わらせることができる」と豪語したことが思い出される。しかい、毎日のように発言が変わり、ディールの達人の手腕が問われている。トランプ大統領のディールは、したたかなイランとの交渉に行き詰まり、焦りの見える今日この頃である。ホルムズ海峡の閉鎖は、世界中

 
 
bottom of page