top of page

イスラエル・イラン戦争

 6月25日、イスラエルとイランとの12日間戦争の停戦が成立した。イスラエルにとって、イランは不俱戴天の敵であり、国の存亡をかけた戦いであった。しかし、今回の戦争は両国が勝利宣言するという、奇妙なものであった。これを演出した、アメリカのトランプ大統領の役者ぶりは異色で、自らも勝利宣言し3か国敗者なき戦争で、一様丸く収まった前代未聞の珍事となった。トランプ大統領は、千両役者なのか大根役者なのかよくわからないが、破天荒な大統領であることは確かである。


 今回の戦争の結末を見て、落語の「三方一両損」(対立する双方を丸く収める状況を表す)を思い出した。名奉行と言われた大岡越前守が、一両を出して双方を納得させ丸く収めた話である。トランプ大統領は、イランの核施設を爆撃することによって、イスラエル・イラン双方に停戦を認めさせた。その方法は、最強の爆弾バンカーバスターを使うことによって、大岡越前守の一両と同じ効果をもたらし、「三方一両損」の状況を作り出した。今回の停戦は、「落語的停戦」と呼ぶことができる。 


 イスラエルは、人口一千万面積は日本の四国ほどの大きさで、人口九千万面積80倍の大きさのイランを翻弄する、中東一の軍事大国である。一般的に考えればありえないが、バックにアメリカが付いているからこそ出来る芸当である。アメリカには、世界最大700万のユダヤ人コミュニティがあり、政治・経済・メディアに大きな影響力を持ち、トランプ大統領も無視できない存在である。それが、アメリカにイラン核施設攻撃を踏み切らせた一因なのだろう。イスラエルは、アメリカにとって頭痛の種であるが、見捨てることのできない国なのである。


 日本は、アメリカと安全保障条約を結んでいるが、アメリカ国内の日系人の影響力は期待できないので、「いざ鎌倉」の時、本当に守ってもらえるのか疑問である。戦後80年、日本もそろそろ平和ボケから目を覚まし、自律する事を真剣に考えなければならない。

 
 

最新記事

すべて表示
豊臣兄弟2

7月26日、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟」は、「天下への道」のテーマで山崎の戦いが放映された。山崎の戦いは、秀吉の備中からの中国大返しで主君信長の弔い合戦に挑み、光秀を打ち破った戦いとして有名である。秀吉は、この戦いで勝利したことが、天下取りの第一歩となった。それにしても、備中高松城から山城国山崎まで230キロを、武具を付けて一週間余りで踏破したのだから、驚異的である。  「天下への道」の中で一つ気

 
 
活動期の地球

6月26日、山梨県富士河口湖町で震度6弱の強い地震があり、富士山との関連が心配される。気象庁は、富士山の火山活動に異常はないと発表したが、1707年に大爆発して以来320年間休止している富士山は、過去およそ5600年間に180回もの噴火を繰り返してきた活火山である。記録に残る一番古い噴火は781年の天応噴火で、平安時代には頻繫に噴火したことが記されている。  2011年の東日本大震災は、869年の

 
 
イラン攻撃に想う

5月28日、アメリカによるイラン攻撃から3ケ月、今だに先行きの見えない状況が続いている。3月の高市首相訪米の折、トランプ大統領は「望めば2秒でこの事態を終わらせることができる」と豪語したことが思い出される。しかい、毎日のように発言が変わり、ディールの達人の手腕が問われている。トランプ大統領のディールは、したたかなイランとの交渉に行き詰まり、焦りの見える今日この頃である。ホルムズ海峡の閉鎖は、世界中

 
 
bottom of page