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儒教と北斎の龍

  • 2019年2月28日
  • 読了時間: 2分

2月27・28日の両日、ベトナムのハノイで米国のトランプ大統領と北朝鮮のキム委員長の首脳会談が行われた。この会談は、北朝鮮にとって国の命運をかけた会談である。このまま軍事的緊張を続けるのか、それとも経済発展の道をとるのか、日本にも大きな影響があるので、これからに注目である。

日本と朝鮮半島の関係は、2千年の歴史の中で常に難しい外交課題であったが、そこには儒教の存在がある。その儒教について「中国本家・朝鮮雨樋・日本水割」という例えがある。つまり、儒教の教祖は孔子なので中国が本家、孔子の教えを雨樋のように直接受け入れたのが朝鮮、そして孔子の教えを水割のように日本独特にしたのが日本、ようするに、宗教ではなく学問道徳にしてしまったということである。

徳川家康は、国の統治の理念として、儒教の内で上に絶対服従と厳しく秩序を重んじる、朱子学を取り入れた。その目的は、争いの絶えない戦国の世から、争いのない平和な社会の構築であった。その選択は、徳川幕府260年の天下泰平の基礎となり、多くの芸術文化が花開いた。その代表として、世界的に有名な浮世絵師である葛飾北斎(1760―1849)について考えてみたい。

北斎は、多くの龍図を描いているが、その中で最高傑作といわれるのが「登り龍図」である。そして、興味深いのは、北斎が描いた龍のツメが3本であるということである。なぜ3本なのか、そこには中国・朝鮮・日本の儒教的序列が込められている。龍のツメ5本は、中国の皇帝だけに認められた特権で、中国以外では御法度であった。それ故、朝鮮は4本、日本は3本ということになっている。つまり、龍のツメの本数に国の序列が、暗黙の内に示されているのである。

この序列を覆したのが、明治維新以来の日本の近代化である。儒教的に言えば、一番格下の日本が繁栄し、格上のはずの中国・韓国が下になり儒教的価値観との齟齬が生まれ、複雑な国民感情となっている。今、最悪の日韓関係の根底には。恨の感情と相俟って、儒教の影響が大きいと考えている。

 
 

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