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敬遠とAIIB

2015年3月31日
読了時間: 2分

3月27日、待ちに待ったプロ野球が開幕した。楽天の戦いぶりは今一で、デーブ新監督も頭の痛いことだろう。野球用語に「敬遠」という言葉がある。この言葉の語源は『論語』の中にある。儒教の祖である孔子に、弟子が「鬼神に出会った時、どのように対処したらよいか」という問いの答えが、敬遠である。ようするに、恐い神様に出会った時は、敬って遠ざけなさいという答えである。それは、野球の敬遠の場面を想像すれば理解できる。ピンチの時、打たれそうな恐い打者に対しては、敬って一塁に歩いてもらう。それは、勝負に勝つための、一つの戦術である。

今、話題になっている、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に対する、日本の対処にも一脈相通ずる所がある。3月12日のイギリスを皮切りに、17日のフランス、ドイツ、イタリアが揃って参加表明した。その後、続々と参加国が増え、40ケ国を超えた。確かに、この流れを見ると、日本にとってピンチのように思える。しかし、今までの中国のやり方、そして経済の現状を考えると、簡単には乗れない、後が恐い話である。AIIB設立の動機は、習近平国家主席の「中国の夢」を実現する戦略の一環なのだろう。それは、阿片戦争(1840~1842)以前の偉大だった中国の栄光を取り戻す、白昼夢である。

阿片戦争とは、イギリスに敗れた清国が、欧米列強に翻弄され、大国から転落するキッカケとなった戦争である。日本に歴史を学べというが、中国も歴史に学び、阿片戦争の轍を踏まないように、注意しなければならない。G7で、いの一番に参加表明したのが、イギリスということも、何か因縁めいている。中国が、世界の工場から世界の銀行になれるのか、疑問である。米ドルが、世界の基軸通貨になる歴史を見れば、自ら進んで基軸通貨になったわけではない。ある意味、渋々その役割を引き受けたというべきであろう。中国の経済基盤は脆弱であり、多くの国内問題を抱えている。中国元の国際化を急ぐあまり、国内が疎かになり、社会が混乱すれば、もとも子もない。夢はいつか醒める運命にある。

今日が、AIIB参加期限であるが、恐い中国の内情を知る日本は、中国の知恵を使い、暫く敬遠するのが賢明な選択である。日本の知恵は「触らぬ神に祟りなし」である。

 
 

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