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暗雲の東アジア

2018年10月31日
読了時間: 2分

10月30日、韓国大法院(最高裁判所)は、新日鉄住金に元徴用工一人当たり1億ウオン(約1000万円)を支払うよう命じる判決を下した。日韓関係は、慰安婦問題・旭日旗問題そして今回の判決と、ますます難しくなっている。今回の判決の最大の問題点は、1965年の日韓請求権・経済協力協定を根底から否定するものとなった事である。これも、国を挙げて取り組んできた反日教育の結果の、賜なのだろう。「先祖崇拝をしすぎて国が滅んだ」お国柄なので、今度は「反日をやり過ぎて国が滅んだ」とならないか心配である。

2005年廬武鉉政権は、請求権問題で慰安婦・サハリン残留韓国人・原爆被害者の問題は例外として、徴用工の問題は解決済みとした。日本は、日韓請求権・経済協力協定が結ばれた時、韓国に賠償金として無償で3億ドル、2億ドルを低利融資すると定めた。この他にも、3億ドルの民間借款として低利融資された。因みに、1965年当時の韓国の国家予算は3.5億ドルであり、国家予算に匹敵する額が無償で支払われた。有償を入れれば、2倍以上の額が援助されたことになる。

日韓請求権・経済協力協定の第2条3項には、今後韓国政府と国民は、日本に対し一切の賠償請求できないと定められている。故に、慰安婦・サハリン残留韓国人・原爆被害者に対する補償は、本来韓国政府がやるべき事案であった。しかし、日本政府は日韓関係の重要性に鑑み、補償金を支払った。これらの配慮が前例となり、反日感情が相俟って、今回の判決となったといえるだろう。このようなことが繰り返えされれば、日本での嫌韓感情が高まり、両国関係に悪影響を及ぼすだけである。今回の判決を奇貨として、日本政府は毅然とした対応をしなければ、将来に禍根を残すことになるだろう。

今や、米中関係も風前の灯火であるが、日韓関係も同様に先が見通せなくなった。米国・日本に共通するのは、中国も韓国も豊かになれば、普通の国になるだろうと考えていたことである。しかし、現実には中国はより強権的になり、韓国はより反日的になり、日米の思惑通りには行かなかった。米国の対中政策が劇的に変わったように、今回の元徴用工に対する判決は、日韓関係を劇的に見直す良い機会になったと捉えなければならない。

 
 

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