10月27日、第50回衆議院選挙が行われ、自民・公明の与党が過半数を割り、政権維持が危ぶまれる結果となった。選挙前から両党の苦戦が伝えられていたが、これ程の惨敗は予想外だっただろう。石破首相は、与党で過半数の233議席を勝敗ラインに位置付けていたが、結果は自民党191公明党24合計215議席と目標に届かなかった。それに対し、野党の立憲民主党は98から148議席と大幅増、国民民主党な7から4倍の28議席と飛躍的に伸ばした。これからの、与野党攻防に注目である。それにしても、裏金問題が選挙結果に及ぼした影響は大きかった。
国民にとって、お金の問題は日々の暮らしに直接響き、非常に敏感な問題である。ましてや、税務調査を受け厳しく税金を取り立てられている人達にとって、法律を作る立場の国会議員の裏金は許すことの出来ない大問題で、怒り心頭である。裏金は闇給与であり、当然納税の義務が発生する事案である。お寺も数年に一度は税務調査があり、もし葬儀料を帳簿に記載しなければ、闇給与として厳しく課税される。裏金を帳簿に記載せず、納税義務を果たさなかった国会議員の認識の甘さには、只々呆れるばかりである。
今回の選挙で大躍進した国民民主党が、これから政局の主役となる。自民党は、国民民主党に秋波を送り、過半数を目指すことに全力を尽くすだろう。しかし、玉木代表は連立を組むことに否定的である。国民民主党の選挙公約は、「令和の所得倍増計画」を実現することとあるが、これは、昭和35年に当時の池田首相が掲げた「所得倍増計画」を思い出させる。この計画は、戦後の高度成長の端緒となり、めざましい高度成長を象徴する標語である。この標語は、昭和に生きた人間に明るい未来と希望を与えた。「令和の所得倍増計画」は、デフレ経済しか知らない若者や現役世代には魅力的に映った事だろう。
玉木代表は、政治の役割は「国のふところ」を豊かにすることではなく、「国民のふところ」を豊かにすることと言ったことが、この言葉は選挙民の胸に刺さったことは確かである。裏金問題は、「国会議員のふところ」を豊かにし、国民を欺いたことにある。今回の選挙結果は、自民党のおごりへの国民の厳しい審判であったと言える。
