日本の人口減少
- 2021年6月30日
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6月25日、総務省から2020年国勢調査の速報値が発表された。それによると、日本の人口は1億2622万人で前回調査の2015年から86万人減となった。日本の総人口が減少に転じたのは、2005年からでそれは18世紀以来の出来事であった。日本の総人口は、19世紀から20世紀にかけて、3千万人から1億2千万人と激増し、国土の狭い日本で増え続ける国民を養っていけるのか、心配された時代もあったのである。今となっては、懐かしい思い出である。
人口減少時代にあっても、一番人口が増え続けているのが東京である。現在の、都道府県の原形ができたのは明治21(1888)年だが、その時一番人口が多かったのは、今では考えられないが新潟県で、東京は4番目であった。当時は、江戸時代から続く米中心の経済構造だったので、米が多く取れる日本海側の人口が多かった。東北でも、宮城県よりも日本海側の山形県や秋田県の人口が多かったことからも分かる。米が多く取れるということは、豊かさの証であり、多くの人を養うことが出来たのである。
これから始まる本格的な人口減少社会は、日本社会にどのような影響をもたらすのか興味深い。昭和の高度経済成長が到来することは、もう期待できないことだけは確かである。しかし、人口減少は環境問題を考える時はプラスに働く。環境に一番負荷をかけるのは、人間だからである。その人間が減少すれば、CO2の排出量が減り、地球にとって好ましい環境が生まれる。地球がどれくらいの人口を養えることができるのか、90億とか100億とか様々な説があるが、神のみぞ知るである。
現在の地球の人口は70億、これでも地球温暖化問題が大きく取り上げられ、危機が叫ばれているのだから、将来が思いやられる。人間中心主義で、人口増が善であると考えるキリスト教の西欧諸国が先導する運動なので、人口減少の好影響にについては論じられない。日本の人口減少は、世界の環境問題解決の糸口になると考えている。