3月11日、東北関東を襲った大地震は、大津波を引き起こし、原発事故まで誘発した。
この巨大地震は、貞観11(869)年5月東北地方太平洋沿岸付近で起こり、岩手県から福島県沿岸に津波が押し寄せ、壊滅的被害を受けた貞観地震以来、1142年ぶりである。今回の1000年に一度の大地震は、東北から関東の太平洋沿岸に甚大な被害をもたらした、日本史上最大の巨大地震であった。
当山でも本堂内部は仏具が散乱し、足の踏み場もない状態であった。そんな中、掛けられていた日蓮聖人一代記を画いた20枚の額縁入り絵のうち、なぜか一枚だけが落下しガラスが割れていた。それは、奇しくも蒙古襲来の絵で、日本の国難を示す象徴的な一枚であった。今、まさに日本は未曾有の国難である。
304年前、これまで日本史上最大の地震といわれてきた宝永地震(1707年10月)、東海から九州の太平洋沿岸部に大津波が押し寄せ、2万人以上の死者行方不明者を出したといわれている。その49日後には、富士山の大噴火が起こり、関東東海に多量の火山灰を降らせ、農作物に多大な被害を出したと記録されている。今回の東北関東大震災では、富士山に変わり原発が爆発し、多量の放射能を降らせている。こちらは火山灰ではなく、人体に影響を及ぼす死の灰である。絶対大丈夫といわれてきた原発も、自然の前には為す術がなかった。
この大地震の一筋の光明は、「森は海の恋人」運動を引っ張ってきた気仙沼市のカキ養殖業者、畠山重篤さんの一言である。「これまでの経験だと、津波の後の海は、カキやホタテの成長が倍以上早い、人間さえ元気なら海は元通りになる」。大津波が、海を耕してくれたとすれば、これまで以上に美味な海の食材を育んでくれるはずである。
そんな将来に期待し、亡くなられた多くの方々の御冥福を祈り、明日への希望を失わずに頑張ろう。
南無妙法蓮華経
