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これは、サッカー日本代表監督になった、オシムの人生を綴った本の題名である。今では、世界地図から消えてしまった国、ユーゴスラビア最後の代表監督であった事は知っていたが、これ程厳しい人生を送ってきたのかと再認識させられた。出身地サラエボは、1984年の冬季オリンピックの開催地として有名だが、当時使われた屋外競技場が民族紛争の激戦地となり、墓地になっている写真には胸が痛んだ。
「歴史的にあの地域の人間はアイデアを持ち合わせていないと生きていけない」というオシムの言葉、平和な右肩上がりの社会に生きてきた日本人には、想像もつかない世界である。しかし、これからの時代を生き抜く為には、アイデアが必要不可欠な事を
私たち日本人に 教えてくれる。
オシムはサッカーの監督だけではなく、人生 の監督でもある。
6月は、サッカーに始まりサッカーで終わった。日本は、予選リーグで敗退し決勝トーナメントに進めなかった。
すべては、初戦のオーストラリア戦で決まった。戦後60年を象徴するかのような 感動の90分であった。平和憲法のもと築いてきた日本人の価値観を、ピッチ上で見事なまでに表現した試合内容であった。ボールは持っているが、シュートは撃たず、撃てば外す。これを銃に置き換えると解り易い。銃は持っているが、タマは撃たない、撃てば命中させない、のが良い事だとされる、日本社会のうつし鏡のようであった。
たかがサッカー、されどサッカー、今回のワールドカップは、世界の強さと日本のひ弱さを映し出す最高の舞台であると同時に、私達に様々な事を教えてくれた貴重な大会であった。
すべては、4年後の南アフリカ大会に期待しよう。
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