3月5日、松島湾で日蓮宗宮城県宗務所主催の洋上一周忌法要が、観光船を借り切って執り行われた。
久し振りに観光船から眺めた島々は、今までとはまったく違った風景に見えた。それは、景色としての島ではなく、昨年3月11日の大津波から守ってくれた、巨大な防波堤に見えてしまった。これらの島のお陰で、松島は奇跡的に大きな被害をまぬがれることができた。人間の作った防波堤は破壊されたが、自然の防波堤は大津波をしっかり受け止めてくれた。改めて、自然の偉大さを思い知らされる一日となった。
東日本大震災は、2万人余の命を奪い、多くの家々を飲み込み、原発事故を誘発し、放射能を撒き散らし、日本に甚大な被害をもたらした。あれから1年、今『福島原発事故独立検証委員会調査・報告書』を読んでいるが、国と東電の混乱振りが書かれている。原発立地地域住民の納得を得るために作られた「安全神話」が、地域住民だけでなく、国や東電の組織内に蔓延していたことがわかる。それは、新興宗教のようであり興味深い。最大の信者は、国や東電のエリート達である。彼らは、自ら創り出した「安全神話」が金科玉条となり、原発が御神体となり、絶対不可侵の存在となった。それ故、安全向上の仕様変更さえ認めなかった。
安全向上を言い出すことは、原発が不完全であることを意味するので、タブーとなった。このタブーこそ、事故を引き起こした最大の原因と言えるだろう。人間が作ったものは、必ず壊れることを忘れ、原発を神様に祭り上げた悲劇である。
一周忌法要は、自然の恐ろしさと、人間の愚かさを、改めて教えてくれた。
