「オタガイノタメニ」
- 2016年12月31日
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12月28日、安倍首相はオバマ大統領と共に、ハワイ真珠湾を訪問した。両首脳は、真珠湾攻撃で撃沈された戦艦アリゾナの上に立つ「アリゾナ記念館」で、犠牲者に献花し哀悼の真を捧げた。戦後71年、真珠湾攻撃から75年、太平洋戦争で死力を尽くして戦った両国の和解の姿を、全世界に示した意義あるものであった。
今年5月のオバマ大統領の広島訪問、そして今回の安倍首相のハワイ真珠湾訪問と、これら一連の訪問は日米同盟の深化を象徴するものとなった。この流れが、次期米国大統領トランプ氏へ引き継がれることを、願うばかりである。トランプ氏のこれまでの言動を見ていると一抹の不安が残るが、安倍首相のこれからの外交手腕に期待したい。
一方、今回の訪問が中国・韓国に対し、どのような影響をもたらすのか、興味深いものがある。早速、両国は批判的なコメントを出したが、安倍首相の真珠湾訪問が、刺激的であったことは確かである。将来の日中・日韓関係のキーワードは、オバマ大統領の演説で使われた「オタガイノタメニ」という言葉だと思う。
もし、日本が米国に対し原爆投下への反省と謝罪を求め、米国が日本に対しパールハーバーへの反省と謝罪を求めたならば、広島訪問も真珠湾訪問も実現しなかっただろう。両首脳の信頼関係と、75年の歳月が、この歴史的訪問を実現させたといえる。
人間が科す刑罰には、時効というものがある。永遠が許されるのは、神仏の世界だけである。人間は、せいぜい生きて百年である。人間が起こした災いに対し、永遠の反省や謝罪を求め続けたら、「オタガイノタメニ」ならない。それを求められても、限りある寿命の人間は、責任を取ることは不可能である。中国や韓国が、一方的に日本を責め続け、寛容の姿勢を示さなければ、「和解の力」を引き出すことはできない。
来年は酉年、安倍首相が推し進める未来志向の外交が、「オタガイノタメニ」一層羽ばたく年になることを祈念しよう。