top of page

土葬と火葬

 4月26日、21日に死去した中南米出身初のローマ教皇フランシスコの葬儀がキリスト教カトリック総本山バチカンのサンピエトロ広場で厳粛に執り行れた。葬儀には、世界各地から集まった多くの信者が参列し、トランプ大統領始め各国の首脳・要人も参列しフランシスコ教皇に別れを惜しんだ。死後6日で、これだけの規模で葬儀を行なうことができる教団の影響力は、驚嘆に値する。世界中に13億人の信者を擁する教団の底力というべきなのだろう。次期教皇は、来月のコンクラーベで選出されるが、本命不在ということで誰が選出されるか注目である。


 教皇死後6日目の葬儀、そして葬儀の後に次期教皇が選出されるというのは、日本の仏教界では考えられない。日蓮宗のトップ総本山・身延山久遠寺の法主が死去すれば、法主の葬儀は次期法主が決まってから執り行れるのが通例で、順序が逆である。キリスト教は土葬、仏教が火葬という埋葬方法の違いが、葬儀日程に表われている。キリスト教も、近年火葬を積極的に認めているのは、カトリックが1963年の指針で火葬を容認することを、決定している事に起因している。今まで、日本でキリスト教徒による土葬墓地問題が、社会問題にならなかった大きな理由である。


 今、日本で土葬墓地をどうするのか問題になっているのは、イスラム法が火葬を禁止しているからである。イスラム法は日本国憲法・法律・社会常識より優先され、妥協する余地がない事が、問題解決を困難にしている。キリスト教のように、火葬を容認する指針をイスラム教総本山メッカ(サウジアラビア)から示されればよいのだが、今のところ期待はできない。日本のように平野部が少なく人口の多い国にとって、より大きな面積が必要な土葬は、衛生問題を含めて難しいので、紆余曲折が考えられる。


 火葬が容認されたキリスト教国、イギリスでは80%、アメリカでは60%の火葬率になっている。世界的には、人口爆発・都市化・環境問題等を考えると、これからも火葬は増えていくだろう。火葬を認めないイスラム教が、これからどのように対処するのか、注視していかなければならない。

 
 

最新記事

すべて表示
山上裁判と総選挙

1月21日、奈良地裁で開かれた安倍元首相の銃撃事件の裁判で、山上哲也被告に検察側の求刑通り、無期懲役の判決が言い渡された。弁護側の「宗教が関わった虐待の被害者であるという視点が不可欠だ」という主張は退けられ、検察側の「幼少期に不遇だったことは認めるが、犯行とは無関係」という主張が通り、検察側の全面勝利となった。裁判長は、安倍氏については「落ち度は何ら見渡らない」と総括し、山上被告の都合を優先した銃

 
 
山上被告裁判2

12月18日、安倍晋三元首相が2022年7月8日奈良市で銃撃殺害された事件で、殺人などで罪に問われた山上徹也被告の裁判員裁判が結審し、検察側は無期懲役を求刑した。しかい、弁護側は山上被告が旧統一教会に翻弄された生い立ちや悲惨な境遇を考慮すれば、「最も重くても懲役20年までにとどめるべきだ」と主張した。今回の裁判は、宗教団体の「宗教2世」による元首相の殺害という、戦後史に前例がない事件だけに、量刑が

 
 
山上被告裁判

11月20日、安倍晋三元首相の裁判員裁判第10回公判が開かれ、山上徹也被告への初めての被告人質問が始まった。山上被告は、「私たちは統一教会に家庭を破壊された」そして、「家族の人生が翻弄され、教団への復讐心を強めた」と証言した。11月25日の第2回目の証言では、安倍元首相が旧統一教会の友好団体にビデオメッセージを寄せた事が、引き金になったと述べた。それは、統一教会が社会的に認められてしまうという絶望

 
 
bottom of page