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当世お墓事情

  • 2015年10月30日
  • 読了時間: 2分

10月29日、中国が「一人っ子政策」の完全撤廃を、発表した。本格的な、人口減少・少子高齢化社会の到来に備え、政策転換である。人口減少・少子高齢化社会の悪影響は、この世だけでなく、あの世にも及んでいる。

先日、仙台市民墓地である、北山霊園・葛岡墓園2ヶ所の、返還墓所再貸出しの抽選会が行われた。ようするに、無縁墓が増えたので、そこを整理して新たな使用者を、募集したのである。これは、この頃よくニュースになっている、空家問題と同じで、人口減少・少子高齢化がもたらした、負の遺産である。まさに、この世とあの世はうつし鏡で、これからますます深刻化する。それは、お寺や霊園事業者にとって、経済的基盤をゆるがす一大事である。

この問題を解決するには、出生率を上げるのが、一番の解決策であるが、これを実現するには、長い年月をようする。しからば、この解決策がないのかといえば、それはある。今までの、お墓の使い方を、変えることである。現在の一般的な永代使用ではなく、一代使用に変え、家のお墓から個人のお墓に、変えることである。近代化の流れは、テレビであれ自動車であれ電話であれ、一家に一台から一人に一台へと変化してきた。お墓も一家に一基から一人に一基になれば、お墓の数は増える。そして、墓地の永代使用の長期から、一代使用の短期になれば、回転率も高まり、安く墓地を提供できるようになる。

現代のサラリーマン社会では、家を守ったからといって、職が守れるわけではない。昔の農業・家業中心の社会では、家を守ることは職を守ることに繋がり、お墓を守る価値があった。サラリーマン中心の社会となった今、そんなメリットもないので、お墓に対する愛着が希薄になるのも、仕方がないのかも知れない。

「寺院消滅」という本が売れるご時世、お墓の世界にも人口減少・少子高齢化の波が、ひしひしと押し寄せている。お寺もこの波に飲み込まれぬよう、一層の努力が求められる。

 
 

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