流行語大賞と靖国神社
- 2013年12月31日
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12月2日、今年の流行語大賞が発表された。予備校のCMから広がった「今でしょ!」、NHK朝の連続ドラマ「あまちゃん」の「じぇじぇじぇ」、TBSドラマ「半澤直樹」の決めゼリフ「倍返し」、2020年の東京オリンピック招致プレゼン滝川クリステルの「お・も・て・な・し」の4語が選ばれた。同時に、4語が選ばれたことに批判もあるが、それは大相撲で複数の横綱がいることと同じで、違和感はない。
「今でしょ!」は、これからインフレの世の中になることを表す言葉である。「じぇじぇじぇ」は、楽天の日本一と田中の24勝0敗の驚きを表す言葉である。「倍返し」は、昨年の株価8,000円から今年の1,6000円へアベノミクス効果を表す言葉である。「お・も・て・な・し」は、今年日本を訪れた外国人旅行者が初めて1,000万人を突破し、東京オリンピックを迎える心構えを表す言葉である。こんな風に考えると、今年の流行語大賞は、この一年の出来事を説明するのに、非常に便利な言葉である。
そんな年末、安倍総理の靖国神社参拝が報じられ、波紋が広がっている。しかし、この問題の本質は靖国神社の出生にある。1868(明治元)年、明治政府は千年以上続いてきた神仏習合を禁止する、神仏分離令を出した。その結果、全国に廃仏毀釈運動の嵐が吹き、数万の寺院が破壊された。その翌年に招魂者が設立され、1879(明治12)年に靖国神社と改称され、明治維新から第二次世界大戦に至る戦死者240万余柱を合祀する、特殊な国策神社となった。そんな生い立ちが、靖国神社を複雑にしている。破壊された多くの寺院の仏様は、何を思っているのだろう。
明治以前は、お寺に神主が居住していても、神社に僧侶が居住していても、珍しいことではなかった。この千年以上続いてきた神仏一如の信仰を破壊した象徴である靖国神社が、普通の神社として受け入れられるには、まだまだ長い年月が必要である。中国や韓国の靖国参拝批判は表面的な問題であり、それはもっと根の深い神仏の世界である。
それにしても、流行語大賞で表される平和日本と、靖国神社が背負う軍国日本が、安倍総理の参拝をとうして光と影となって見えてくる年の瀬である。