狂信の諌め
- 2018年7月31日
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7月26日、世間を震撼させた、オウム真理教の幹部6名の死刑が執行された。これで、7月6日に執行された教祖麻原彰晃を含む7名と合わせ、13名全員の執行が終わったことになる。
オウム真理教は、「オウム神仙の会」を母体に、1987年誕生した新興宗教である。当時は、一部宗教学者やマスコミにもてはやされ、大いに注目される存在であった。教団幹部は、一流大学出身者が多く、教祖の「空中浮揚」を売りに、マスコミを巧みに利用し、多くの信者を獲得し、飛ぶ鳥を落とす勢いであった。
その流れを変えたのは、1989年に起きた「坂本弁護士一家殺人事件」である。10月26日、オウム真理教を取り上げたTBSの番組スタッフが、教団を批判する坂本弁護士のビデオを、オウムの幹部に見せたことに始まる。このビデオを見た幹部らは、教祖麻原彰晃と協議し、坂本弁護士一家3人を殺害することを決め、9日後の11月4日未明に決行した。この凄惨な事件をきっかけに、オウムは危険な宗教団体と、認識されるようになった。
その後、1994年に「松本サリン事件」、1995年に「地下鉄サリン事件」と、宗教団体とは思えないテロ事件を引き起こし、「狂気の教団」となってしまった。それにしても、妄想の教祖を信じた高学歴の信者たちの行動は、狂信の徒というほかない。仏教説話には、狂信を諫めた「塩の話」がある。
内容は、ある王様がお客を招待し、様々な美味しい料理でもてなした。料理を出す時、王様はツボの中から白い粉を取り出し、それに振りかけた。食後に、王様は今まで出した料理で一番美味しいと思った料理を差し上げようと言ったので、お客はどの料理にするか迷ったが、どうもツボの中にある白い粉をかけると、どの料理も美味しかったので、その白い粉の入ったツボを頂いて家に帰った。そして、家族に白い粉を食べさせると、みんな吐き出してしまった。一番美味しいと思った白い粉は、実は塩だったという話である。
確かに、料理に塩をかけると美味しくなるが、それは腹いっぱい食べるものではない。信仰は、塩と同じように人生によい味を出すためにするもので、塩に例えて狂信を諫めているのである。