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貴乃花親方に想う

2017年11月30日
読了時間: 2分

11月26日、大相撲九州場所は、横綱白鵬40回目の優勝で幕を閉じた。本来ならば、白鵬のこの前人未到の大記録が、さんぜんと輝くはずの場所であった。しかし、横綱日馬富士の貴ノ岩への暴力事件、白鵬自身の物言いをつけ異議を唱えた醜態・千秋楽の振舞い、そして場所後の日馬富士の引退発表で、大記録もどかにすっ飛んでしまった。相撲協会にとっても、ようやく盛り上がってきた大相撲人気に、水を差す結果となり、非常に残念な九州場所になってしまった。

日馬富士の暴力事件は、本場所中にも拘わらずテレビのワイドショ-に恰好の話題を提供し、様々な憶測を呼ぶこととなった。貴乃花親方が「本場所中なので場所後にお話します」と言えば、こんなに大きく報道される事もなかっただろう。親方の頑なな対応が、このような事態を招いたことは、反省しなければならない。これからどのような対応をするのか、貴乃花親方の一挙手一投足に注目が集まることになる。それにしても、三横綱が揃っていながら、なぜこれ程ひどい暴力行為に及んだのかが、大きな謎である。

貴乃花親方は、横綱昇進時の口上で「相撲道に不惜身命を貫く所存です」と述べ、相撲道に真摯に取り組む姿勢を示していた。不惜身命は、法華経の「質直意柔軟 一心欲見仏 不自惜身命」(質直にして意柔軟に、一心に仏を見たてまつらんと欲して、自ら身命を惜しまず)から取られている。不惜身命は、勝負師としての心構えとしては大切であるが、もう一方「質直にして意(こころ)柔軟に)という前提があることを、忘れてはならない。この二つの言葉をバランス良く包含させるのが、仏の理想の境地である。

今回の騒動がここまで大きくなった一因は、貴ノ岩の師匠であり巡業部長の要職にある、貴乃花親方の「不惜身命」の想いが強すぎたことにあるだろう。巡業部長の立場を考え、説明責任が求められる時代、「質直意柔軟」の対応が必要だったのではないか。そうすれば、もう少し違った展開になったのでないかと思うと、本当に残念である。一相撲ファンとして、貴乃花親方にはこれからも大相撲発展の為、尽力される事を願うのみである。

 
 

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