高市早苗新首相
- 144491
- 10月30日
- 読了時間: 2分
10月21日、衆参両院本会議の首相指名選挙で、高市早苗氏が第104代首相に選出された。明治18(1885)、初代伊藤博文首相から140年、憲政史上初の女性首相が誕生した。高市新首相には、信奉する「鉄の女」と言われた英国のサッチャー元首相を目標に、頑張ってもらいたい。前回の首相選挙では、本命と言われながらも石破茂前首相に破れたが、今回は本命と言われた小泉進次郎氏を破り、念願の首相の座を射止めた。トランプ大統領との関係も安倍元首相の遺産を引継ぎ、良好な関係を築けそうである。 高市新首相は奈良県出身、師と仰いだ安倍元首相が銃弾に倒れたのも奈良県、仏縁というか不思議な巡り合わせである。前回、高市首相が決選投票で敗れた原因に、「首相になったらすぐに靖国神社を参拝する」という一言が致命傷になったと言われている。確かに、安倍元首相も就任後すぐに靖国神社に参拝した。しかし、その後米国を訪問した折、オバマ元大統領に激しく非難され、二度と参拝することはなかった。 それでは、なぜ米国は靖国神社参拝を非難するのかと言えば、それは昭和53(1978)年に靖国神社がA級戦犯14名を、英霊として合祀したからである。米国にすれば、A級戦犯を英霊とすることは、太平洋戦争の責任を誰も取らないことを意味する。ドイツは、ヒトラーという明確な戦犯がいるが、日本はA級戦犯を英霊にして、戦争責任を有耶無耶にしたので、無責任な国とみなしたのである。後日、安倍元首相は中国や韓国が反発するのは予想できたが、米国の反発が一番きつかったと語っていた。 それでは、なぜ靖国神社が昭和53(19778)年にA級戦犯14名を合祀したのか、そこには日本人の宗教観がある。昭和20(1945)年に戦死した兵士の第33回忌は昭和52(1977)年で、これで禊ぎが終ったと考えたので、次の年に合祀に踏み切ったのだろう。確かに、第33回忌は弔い挙げ・弔い修めといい、年回法要として一区切りである。しかし、これは日本人の宗教観であって、外国人に理解させることは難しい。A級戦犯を合祀するには、第33回忌では早すぎる。せめて戦争関係者がすべて亡くなった第100回忌が終わってから、合祀すべきと考えていた。 高市新首相には、安倍元首相の教訓に学び在任中は靖国神社参拝を、控えてもらいたいと思っている。